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「チーム応援なんでも運用相談」ってどんなサービス?担当者を直撃してみた

  
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 チーム応援ライセンスのユーザーを対象として定期的に開催されている、「チーム応援なんでも運用相談」をご存知ですか。利用中の環境での設定や運用に関して、オンラインでサイボウズのスタッフに相談ができて、自由に入退出できる自習形式の時間です。

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チーム応援なんでも運用相談のお申込みフォーム

 今回はチーム応援なんでも運用相談(以下、なんでも運用相談)担当者の毛海 直樹(けうみ なおき)さんに、なんでも運用相談がどんなサービスなのか、始めたきっかけや活用方法、担当者としての思いまで、いろいろと聞いてみました。

人に教えること、支援することが好き

 ー サイボウズでの立場やこれまでの経歴を教えてください

 約10年前にサイボウズに入社して、サイボウズのエコシステム(パートナー企業などと協力してビジネス環境を構築すること)の立ち上げに携わってきました。現在は、チーム応援プログラム事務局の業務として、なんでも運用相談の対応や運営をしています。その他に、障害が発生したときに社外告知をする業務も担当しています。

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見た目は少し怖そうな、なんでも運用相談担当 毛海 直樹さん


 ー 複業もされているんですよね

 はい、サイボウズの業務と並行して、以前はパソコン教室の運営をしていました。現在は専門学校でITの授業の講師をしています。人に何かを教えたり支援したりすることが好きなんです。

非営利団体のIT事情がなんでも運用相談を始めたきっかけだった

 ー きっかけは非営利団体特有の課題だと伺いましたが

 サイボウズのクラウドサービスを廉価に提供することで非営利活動を応援する「チーム応援ライセンス」ですが、非営利団体には必ずしもIT管理者がいるとは限らず、ITの知識やスキルが十分でない管理者さまが、導入や運用に苦労されていることがよくあります。そのかたにただマニュアルを渡して「自分たちでやってください」と言っても、なかなか前には進みません。特にPTAやサークル活動などの任意団体では、全員に本業があり、空いた時間で対応されていることが多く、ITの知識を身につけようとしても時間がないというのが現実です。

 スタートの部分を伴走という形で支援できれば、自分たちで構築して運用につなげられるようになり、管理者の皆さまに心強く感じていただけるのではないかと思います。サイボウズの企業理念である「チームワークあふれる社会を創る」の実現に向けて、非営利団体にもサイボウズのサービスを活用いただきたいとの思いから、2021年より「自習室」を試験的に始めました。2022年からは本格的に「チーム応援なんでも運用相談」として定期開催しています。

「いずれは自分たちで」を目指す、スタート段階の伴走支援

 ー なんでも運用相談のコンセプトを教えてください

 ITの専門家ではない非営利団体の管理者さまに「サイボウズのサービスをこのように使えば業務課題の解決や改善に結びつくことがわかった」と言ってもらえることを目指しています。そのために、非営利団体特有の業務課題を理解し、把握することが重要と考えています。

 ー どのような形式で開催されていますか

 オープンしている1時間、好きなタイミングでオンラインで入室いただきます。複数の団体がそれぞれの環境と課題を持ち寄って、自習形式で進めます。他の団体には非公開で個別に相談したいことがあれば、ブレイクアウトルームで対応することもできますので、ご安心ください。

お申し込みが1団体のときはマンツーマンでご相談に乗ることも

 ー どのようにご相談に対応していますか

 お客さまの業務課題をお聞きして、「サイボウズのサービスだとこのように実現できますよ」とアドバイスをしたり、場合によっては実際の画面を一緒に見ながら構築したり、その先の運用について相談に乗ることもあります。ただし、ずっと伴走を続けられるわけではないので、何度か参加していただくなかで、自分たちで考えて調べて、自分たちで構築や運用ができるようになっていただくことを意識しています。

 対応範囲は初期の段階までなので、複雑な作り込みや詳細な運用まで支援を望むお客さまには、非営利団体のIT活用を得意とするパートナーさんによる有償の伴走支援をご案内することもあります。

 ー パートナーさんの伴走支援を受けるケースもあるんですね

 法政大学アメリカンフットボール部は、コーチ兼運用担当のかたがkintoneで日々の活動管理をしたいとなんでも運用相談にご参加いただきました。ぼんやりしていた課題を一緒に整理したところ、用具の費用請求や在庫の管理、体調管理や保護者との面談内容など、管理の対象が多岐に渡ることがわかり、ビジネスチャットツールSlackとの並行運用も模索されていました。課題が明確になったところで、伴走パートナーさんとしてkintoneエバンジェリストの長井 祥和さんをご紹介しました。

 長井さんの伴走支援にバトンタッチして以降、さらに業務の棚卸しとkintoneやSlackなど各ITツールの整理をたった2か月間で一気に進められ、無事に年度始めから運用を開始。学生スタッフが長井さんに質問を重ねながら、自分たちで必要なアプリを作成できるまでになりました。その成果をチーム応援カフェで発表いただいています。

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 ー 非営利団体の支援に強いパートナーさんがいらっしゃるのですね

 サイボウズのエコシステムにはさまざまなプレーヤーがいます。ビジネスに強いパートナーさんもいれば、非営利活動をされている団体の裾野を広げていくことに興味を持って活動されていたり、社会貢献を意識して取り組まれたりしているパートナーさんもいらっしゃいます。パートナーさんたちと普段から情報交換をして、必要に応じてお客さまをご紹介しています。

 ー お客さまの相談の中で課題に感じたことと、工夫したことを教えてください

 専門用語だとITに不慣れなかたには通じにくいときがあるので、なるべくわかりやすい用語に置き換えて説明しています。例えばkintoneの「プロセス」という言葉は、kintoneに詳しい人は当然ご存知ですが、世の中に一般的な言葉ではないので、「稟議」や「回覧」という言葉に置き換えています。「スペース」という機能も、「情報のくくり」や「情報の場」といった言葉を使って説明しています。

ご相談から見えてくる非営利団体の課題

 ー 相談に来られたお客さまとのエピソードがあれば聞かせてください

 理事会にkintoneを導入したマンション管理組合の管理者さまが、ITツール導入に関するメンバーの理解が得られずに、全住人へのサイボウズのサービスの全体導入にまでなかなかたどり着けずないお客さまのお悩みを、そのお悩みを1時間ずっと聞き続けたこともあります。

 管理者さまとしては、ITツールを導入して団体の活動を効率化し、情報共有をスムーズにしたい気持ちが強くおありでしたが、新しいITツールを導入することや個人情報保護の観点から抵抗感のあるかたが多く、なかなか協力を得られずに孤軍奮闘しておられました。

 1時間じっくりとお悩みを聞いて、これまでの対応や事例の中から他の団体がメンバーの理解を得るために工夫した点やヒントを参考情報としてお伝えしたところ、「もうちょっとがんばってみます!」と前向きな気持ちになっていただくことができました。

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 老若男女さまざまなメンバーが集う非営利団体では、立場や個人の価値観がまちまちで、また経済合理性が第一義ではないこともあり、ITツールによる情報共有や効率化が必ずしも善というわけではない場合もあります。既存の枠組や方法を変えていくにあたって、皆さんの了解や納得を得る過程が最初のハードルになるのかもしれませんね。

既存のサポートやイベントなどをフル活用いただきたい

 ー テクニカルサポートや、チーム応援導入相談、チーム応援カフェなど他のサポートとの違いを教えてください

 テクニカルサポートはライセンスの種類を問わず、お試しの段階から電話やメール、チャットで専門スタッフがお問い合わせに対応します。

 チーム応援導入相談は、チーム応援ライセンスでの利用を検討している、導入前のお客さまを対象として、専門スタッフが1時間個別にご相談に乗ります。予約制です。

 チーム応援カフェは、非営利団体のIT活用に知見のあるかたをお招きしてノウハウをお聞きし、参加者同志の交流を通じて課題を相談したりヒントをもらったりするオンラインのイベントです。隔月でお昼の時間に開催していて、サイボウズのサービスのご利用や検討の有無に関わらず、非営利団体のIT活用にご興味のあるかたはどなたでもご参加いただけます。

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チーム応援ライセンス ウェブページのさまざまなサポート案内


 チーム応援なんでも運用相談は、チーム応援ライセンスを導入されているお客さまを対象として、自習形式で課題を持ち寄り、スタッフのサポートを受けながら自分で解決や環境の構築を試みる時間で、状況に応じて個別にご相談をお受けしています。

「最近のレゴ」の気持ちで、柔軟に寄り添う伴走支援をしたい

 ー どのようななんでも運用相談にしていきたいですか

 初めて参加されるときは、スタッフが課題を解決してくれる、環境を構築してくれると期待されているかたが多いです。サイボウズのクラウドサービスの仕組みや業務の整理をして、スタートを一緒に考えることで、最終的に、自分たちの業務に合った業務システムの構築やグループウェアの設定を自分たちでできるところまでご支援したいと考えています。

 特にkintoneは使いかたが100人100通りですので、何をしたいのか、どうしたいのかの整理が非常に重要です。よくレゴのブロックに例えるのですが、私が小さいころだとバケツにいろんな部品がたくさん入っていて、電車や車などイチから好きなものを作っていました。でも最近レゴは飛行機や恐竜の部品があらかじめセットになっていて、これを作るためにはこのセットを買えばいいんです。私の役割は最近のレゴなのかなと(笑)、これが伴走支援の役割だと考えています。

 正直なところ、現状お申し込みはあまり多くありませんので、開催曜日や時間帯を変えてみたり、お客さまのご都合に合わせて日程調整をしたり、柔軟に試行錯誤を繰り返している状況です。「ITには強くないけど、サイボウズのサービスで課題解決をしたい、よりよい業務環境を作りたい」というかたが、気軽に参加して相談できる時間にしていきたいと思っています。

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ITに不慣れなかたの目線で一緒に考えてくれる強い味方、毛海さん


 現在は毎週開催、日程調整も可能です。少しでも利用してみようかなと思ったかたはぜひ、「チーム応援なんでも運用相談」にご参加ください。いま足踏みしている課題が一歩前に進むかもしれません。