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労働者が抱える問題の『そもそも』を解決したい━━クライアント管理を効率化した【NPO法人しごとのみらい】

  
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NPO法人しごとのみらいやサイボウズで働く竹内義晴さん

しごとのみらいは、「もっと『楽しく!』しごとをしよう」をテーマに、新潟県で活動しているNPO法人だ。働きやすい職場を作るための企業研修や講演、コーチングやカウンセリング、情報発信などを行っている。代表の竹内義晴さんは、農業やNPO代表をしながら週2日サイボウズで働く複業社員でもある。非営利団体向けの特別価格でサイボウズのクラウドを導入し、コーチングやカウンセリングのクライアント管理を効率化したという竹内さんにNPOでの取り組みやクラウドの活用について伺った。

ストレスが多い職場が労働者の心と体を蝕む現実

竹内さんが現在の仕事に関わるようになったのは、前職のプログラマー時代に過大なストレスを抱えたことがきっかけだという。 「私はプログラマーの仕事が好きでした。けれども、30代になると、お金や人の管理を任されそうになります。そこで、『生涯エンジニア』を目指して転職したはずだったのですが......」

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NPO法人しごとのみらいは「楽しくはたらく」をテーマに交流会を開催している。

「元がプログラマーだったこともあり、それまで興味があったのはITのことばかりで、人と関わるのは、むしろ面倒くさいと思っていました。けれども、仲間が少しずつ変わっていく姿を見て、人の成長を支援していくのも面白いと感じるようになりました」

「楽しくはたらく」をテーマにNPO法人を立ち上げる

その後起業し、ビジネスパーソンのコーチングやカウンセリングを開始。「私の住まいは新潟の中山間地にありますが、「もっと『楽しく!』しごとをしよう」というメッセージを伝えても、反応してくれる人はあまりいませんでした。けれども、インターネットで情報を発信していたら、共感してくれる人が少しずつ増えていきました」

コーチングのクライアントや、「もっと『楽しく!』しごとをしよう」というメッセージに共感した人たちと、2010年12月にしごとのみらいを設立。現在は、働きやすい職場を作るための、コミュニケーションやストレスに関する企業研修や講演、コンテンツ開発にも取り組んでいる。

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企業研修で講演する竹内さん

労働者が抱える問題の解決策への違和感

ストレスやメンタルヘルスをはじめ、ビジネスパーソンの労働環境は今、社会問題になっている。そこで、国レベルでの対策も始まっている。

だが、竹内さんはそれらに違和感があるという。

「労働者の精神的な疾病を防ぐために、ストレスチェックや長時間労働をなくす働き方改革は大切かもしれません。けれども、ストレスを抱えるそもそもの根本原因は、職場のコミュニケーションや人間関係にあります。通院や休職で体調は一時的によくなるかもしれませんが、根本原因は変わりません。そのため、職場に復帰しても、同じことを繰り返してしまう懸念があります」

そこで、竹内さんは、労働者が抱える問題を根本から解決したいという。 「仕事が楽しいと感じられる職場、イキイキ働ける職場なら、そもそもストレスを抱えずに済むはずです。私は労働者が抱える問題の『そもそも』を解決したい」

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オンラインで全国のビジネスパーソンのコーチングやカウンセリングを行っている。

新潟を拠点にサイボウズで複業することに

2017年1月、サイボウズは複業採用を開始。偶然、そのサイトを見た竹内さんは、複業採用に応募しようと思ったという。

「まず、サイボウズの『チームワークあふれる社会を創る』という理念に共感しました。なぜなら、言葉は違いますが、私たちが目指していたことも、働きやすい職場を作る、楽しくはたらくことだったからです。しかも、複業採用では、本業を持ちながらでもいいし、フルタイムでなくてもいい。これまで培ってきた経験も生かせる......これだ!と思いました」

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新潟とパリと東京を結んだサイボウズでのテレビ会議

kintoneを導入して業務改善に取り組む現在は、しごとのみらいの業務に取り組みながら、週2日サイボウズでも働き、「チームワークあふれる社会を創る」ためのメソッドの研究開発に取り組んでいる。

kintoneを導入して業務改善に取り組む

しごとのみらいでは、コーチングやカウンセリングを行うにあたり、Webからの申し込み、メールでのスケジュール調整、実際のコーチング・カウンセリング、会話内容の記録など、これまでは、すべて別々のツールで行ってきた。

だが、現在はNPOや任意団体向け特別価格で、サイボウズのkintone、Garoon、メールワイズを導入。業務改善に取り組んでいる。

「コーチングやカウンセリングは、ホームページで問い合わせていただいておりますが、その時点で、お名前やメールアドレス、悩み事などの情報はkintoneに登録されるようにしています。その後、スケジュールを調整してコーチングやカウンセリングを行い、会話をした内容はkintone上に登録し、いつでもログを確認できるようにしています」

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kintoneで作成したクライアント管理アプリ。

また、クライアントとのスケジュール管理やメールのやり取りは、kintoneとGaroonメールワイズを連携して行っている。クライアント情報からスケジュール、メールのやりとりまで、一連の流れで行うことができ、業務がスムーズに行うことができるようになったという。

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kintone導入前は、すべて別々のツールで管理していたため、スケジュールや相談履歴の確認などが煩雑だった。現在はkintoneにデータを集約。必要な情報を必要なタイミングで確認できるようになった。

「現在、しごとのみらいのメンバーは首都圏の方が多いのですが、これからはkintoneを業務改善に加えて、会員同士のコミュニケーションや情報共有にも生かしていきたいですね」

竹内さんの挑戦は続く。