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チームワークあふれるPTAをつくる〜IT活用でラクに楽しく情報共有を〜【第55回 日本PTA関東ブロック研究大会 ちば大会レポート】

  
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1.PTAでのIT活用について話すサイボウズ中村徹(810).jpg

2023年10月、千葉県教育会館にて「第55回 日本PTA関東ブロック研究大会ちば大会第6分科会 Redesign〜見直そう○○のカタチ」が開催されました。企業提案のコーナーで、サイボウズ マーケティング本部の中村徹が登壇。その後、2つの学校PTAからの研究発表、登壇者らによるパネルディスカッションが行われました。チームワークあふれるPTAをつくるためのIT活用法とは?

「PTAではチームワークはあふれていますか?」ITツールを使ってアンケート結果を瞬時に共有

関東・中部地方の小・中学校のPTA、PTA連合会・協議会関係者が一堂に会して活動状況の成果発表を行い、これからのPTAについて考えることを目的に開催された「第55回 日本PTA関東ブロック研究大会 ちば大会」。 第6分科会は、10月28日(土)、「Redesign〜見直そう○○のカタチ」を研究テーマに千葉県教育会館で行われました。

最初のプログラムは「企業提案」です。ここで、サイボウズ マーケティング本部に所属し、板橋区立板橋第四小学校・板橋区立板橋第五中学校でPTA会長をつとめた経験もある中村徹が「チームワークあふれるPTAをつくる〜IT活用でラクに楽しく情報共有を〜」をテーマに登壇しました。

自己紹介のあと、「この会場にいる皆さんについて教えてください」と、参加者全員にQRコードを案内。Webサービスslidoを用いて、所属、「仕事や家庭で使っているITツールは?」、「PTAではチームワークはあふれていますか?」の質問を投げかけると、回答がリアルタイムで続々と画面に映し出されました。

2.みなさんについて教えてください.jpg
3.使っているITツール.jpg

アンケートの結果が瞬時にわかり、参加者全員で共有できました

PTAのチームワークについての質問に対しては、「任意化してやる気がある人が集まっているので、チームワークは良いと思います」「情報共有がまだまだだったり非効率なことはありますが、各自できる範囲で無理なく活動できていると思います」「地方の小さい学校で、みんなもともとの知り合いなので、チームワークにあふれているほうかと思います」などポジティブな回答から、「全くあふれていません笑」「LINEグループがあふれています」「保護者により温度差があります」「今はあふれていますが年度により差があります」など現状に課題を感じている回答まで、さまざまな声が寄せられました。

「皆さんに口頭で同時に答えてもらうことが難しい内容でも、このようにITツールを使うと瞬時に回答が反映され、意見を共有しながら話を進めることができます」(以下、中村)

子どもたちの未来のために。PTAでITツールを活用する必要性

とはいうものの、「パソコンやスマートフォンなどITツールがあまり得意ではない」「できればあまり使いたくない」という保護者が一定数存在するのも事実。それが、PTAでITツールを導入するときに話が進みにくい原因のひとつになっているといいます。

「そもそも私たち保護者がPTAに関わる目的は、なんでしょう。子どもたちのすこやかな成長のため、ですよね。『我が子には、将来ITツールを積極的に活用してほしい』と願う保護者も多いと思いますが、まずは私たち親自身がITツールと関わる姿を見せていくことが大切なのではないでしょうか。また、学校教育においては2019年度からGIGAスクール構想が始まり、子どもたちは日々の授業でパソコンやタブレットを当たり前のように使っています。保護者のコミュニティであるPTAにおいても、ぜひITツールを活用していただきたいですね」

「チームワークあふれる社会」を目指しさまざまな事業を展開するサイボウズでは、PTA、NPO法人など非営利団体向けに「サイボウズ チーム応援ライセンス」を展開。kintone、サイボウズOffice、Garoon、メールワイズのグループウェアが、1サービスあたり年額 9,900円(税抜)で利用できます。

サイボウズのこれらのグループウェアに加え、他のITツールを組み合わせながらラクに楽しく情報共有し、「チームワークあふれるPTA」を実現している事例が紹介されました。

4.PTA事例.jpg

(事例1)仙台市立八木山南小PTA

2019年春からサイボウズOfficeを導入し、「YAGINET」(ヤギネット)と命名。PTA、学校からの情報を共有し、おたよりのペーパーレス、PTA活動の負荷とコスト削減を実現しました。コロナで卒業式に参列できなかった6年生の保護者向けに、「YAGINET」を通してYouTubeによる卒業式ライブ配信も行いました。「YAGINET」を始めるにあたり、PTAのGoogleアカウントを作り、問い合わせのメールアドレスや会員情報収集するためのGoogleフォームを用意しました。


(事例2)東京都内公立S小学校PTA

2020年のコロナ休校をきっかけに、400名規模のPTA活動をオンライン化。kintoneとメールワイズに加え、動画共有サービスのVimeo、ビデオ会議のZoomも導入し、保護者が見たい情報を見られ、kintoneのスレッド上で保護者同士のやりとりもできるようになりました。また、問い合わせ窓口用としてPTAのGmailアドレスを設定。さまざまなITツールを活用することでたくさんの"アナログ"が姿を消し、ラクに楽しく情報共有できるようになりました。


(事例3)岐阜市立徹明さくら小学校PTA

kintoneを導入し、活動履歴、資料共有、経費精算など残したい情報を入力。蓄積された情報はすべてのテキストで検索対象となるため、必要な情報をその都度引き出すこと ができるようになりました。その他、学校や本部役員同士のちょっとしたやりとりは LINE、会員の保護者に情報発信するときはLINEの公式アカウントやメール、運営本部が保護者の意見を聞きたいときにはGoogleフォームでアンケートなど、目的に応じてITツールを使い分け、情報の伝達、共有をスムーズに行っています。

「消えたら困る」「残しておいたほうが良い」PTAの情報は、有料のITツールで蓄積

PTAには年に1回しかない行事や会議、提出物がいくつもあります。しかし、多くの学校でPTA役員さんの任期が1年から2年のことが多く、子どもの卒業にともないPTAも卒業になるため、知識の集積が難しいのが現状です。

「PTAの情報には、消えたら困るものや残しておいたほうが良いもの、セキュリティが必要なものがあります。PTAで情報を共有し知識の集積が可能なITツールには、無料ものと有料のものがありますが、このような情報には、お金を払ってでも安全性の高いツールを利用することをおすすめします。また、kintoneではPTA専用アプリパックもあります。PTA運営にまつわる悩みは、ITツールを導入することによって改善することも多いもの。チームワークあふれるPTAをつくるために、ITをうまく活用し、ラクに楽しく情報共有しましょう」

研究発表〜キャリア教育、生徒発案の顔の見える地域づくり〜

企業提案に続いて行われた研究発表では、長野県岡谷市立川岸小学校PTA 令和4年度PTA会長の横内哲郎さん、神奈川県川崎市PTA連絡協議会 令和元年度副会長・麻生区PTA協議会 令和元年度副会長の影山博史さんが登壇しました。

横内さんは、自校PTAで平成19年度から取り組んでいるイベント「ふれあい参観日」について紹介。「教えてお父さんの仕事・お母さんの仕事」と題して保護者が講師となり、自分の仕事内容を紹介する特別授業を行っています。

これまでに、消防士、鰻屋、建設業、接骨院などさまざまな仕事に就く保護者が自身の仕事について語ってきました。親子の参加を通じて子どもが自分の将来や「仕事」「働くこと」について考えるきっかけを作ることができ、「将来の夢ができた」「仕事についてもっと知りたい」という児童が増えたそうです。

5.「ふれあい参観日」について話す長野県岡谷市立川岸小学校PTA横内さん.jpg

影山さんは、川崎市長沢中学校区で地域と学校が連携・協働して行っている「たぬきフェスティバル」について紹介。平成12年に「川崎市子どもの権利条約」策定に携わった子ども委員会に参加していた長沢中学校生徒会メンバーから出た「地域の小学生は、中学生を怖がっているように感じる。小中合同でできる何かをやりたい」という意見をきっかけに始まった、お祭り形式のイベントだそうです。

コロナ禍により2年連続で中止になった間も、活動を途切らせないようビデオ放送「たぬきチャンネル」を制作して昼休みに放送。令和4年から復活し、PTA活動を通して「顔の見える地域づくり」に励んでいます。

6.「たぬきフェスティバル」などについて紹介する神奈川県川崎市PTA連絡協議会 影山さん.jpg

ITツールを使うにあたっていちばん大切なのは、「人」

分科会の最後は、川崎市PTA連絡協議会前会長の舘勇紀さんをモデレーターに、今回の登壇者、分科会を運営する流山市PTA連絡協議会のかたがた計6名によるパネルディスカッションが行われました。テーマは、「ITを活用したWIN-WINな学校支援ボランティア活動のカタチ」。

モデレーター・舘さんの「それぞれの学校の文化や地域性、保護者や先生の考えかたなどいろいろな状況があるなかで、ITツールを導入、検討していくためのいちばんのポイントは?」という問いかけに、 「ITツールは、あくまでも『道具』。いちばん大事なのはITツールを使う『人』なんです。PTAの皆さんが『こんなことやりたい』『あんなことやりたい』と盛り上がっていただければ、それに合うITツールが必ず見つかり、導入もスムーズに進むと思います」と、中村。

それに呼応するように、パネラー全員が自校PTAにおけるITツールとの向き合いかたについて言及。 「IT委員会を立ち上げ、得意な人にしくみを作ってもらい引き継ぎもラクにできるようにしました」 「ITが得意な先生に協力してもらいながら、学校と保護者双方向のオンライン連絡網を作りました」 「パソコンを使う仕事の延長上で映像制作、編集に挑戦。結果的に自身のスキルが身につきました」などの声が寄せられました。

7.パネルディスカッションの様子.jpg

PTAは「チーム」であり、学校と保護者をつなぐ重要な役割を担っています。しかし、忙しい保護者にとって、PTA活動への参加は負担になることも少なくありません。ITツールを活用することで、ラクに楽しく情報共有が可能になり、多様な保護者が活動しやすくなることが実感できる分科会となりました。

(記事執筆 長島ともこ)