Case
事例
親しみやすい雰囲気づくりとキラーアプリで驚異の浸透率達成 キントーンの便利でかわいい使いかた【京都市公立小学校PTA】
黄色くて丸っこいこの子、一体ナニモノでしょうか? じつはこちら、とある小学校のPTAでキントーンを管理する「きんとんさん」というキャラクターなのです。なんとも愛嬌のあるこのきんとんさん、PTAで一体どんなことをしているのでしょう?

今回登場いただくのは、きんとんさんの中の人=京都市内の小さな公立小学校PTAの元庶務・アイコさんです。オンライン交流会「チーム応援カフェ」で、アイコさんがお話しされた内容を再構成してお届けします。

適正診断チャートを作り「きんとん部」のメンバーを募集


以前のPTAは、保護者みんなの負担が大きく、不満の声もあがっていたといいます。そこで本部役員さんたちがPTAの改革を行うことに。委員会を解体し、業務を絞り込むなど、保護者の負担軽減に取り組んだのです。
そんななか「もっとみんなの負担を減らしたい」と考えたアイコさんは、ITツールの導入を考え始めます。検討の結果、キントーンを導入すれば、以下の4つの課題が解決できそうだとわかってきました。

1 PTAが何をやっているかわからない → キントーンならいつでも誰でも閲覧でき、業務を「見える化」できる
2 PTAに毎年提出する書類が多くて大変 → キントーンなら一度入力すれば、卒業まで省略可能
3 しょっちゅう学校に集まるのが大変 → キントーンならコミュニケーションツールとしても使える
4 引き継ぎ用の紙の資料やUSBをやめたい → キントーンならデータを探しやすく、セキュリティ面も安心

まずは無料お試しでキントーンにふれたところ、どんどんハマってしまったというアイコさん。本部役員メンバーからも励ましを受けつつ、PTA総会でキントーンの導入を提案したところ賛成多数で可決され、2021年度から正式導入することになりました。

次にアイコさんは、キントーンやシステム関係を担当するメンバーを募集するため「きんとん部」を立ち上げたところ、数名の仲間が加わってくれることに。全体を取りまとめる「ほんきんとんさん」も、本部役員の仲間のひとり、ナミさんが引き受けてくれたのでした。

「見守り当番アプリ」で保護者が各自好きな日を選べるように
では実際、どんなふうにキントーンを使っているのでしょうか?

ひとつずつ見ていきましょう。
まずは「見守り当番アプリ」から。以前は毎月、地域委員が「いつ・誰が・どこを担当するか」を決め、当番表を印刷・配布していましたが、キントーンを導入してからは、保護者が各自で好きな日を選べるようにしました。





名簿やポータル管理など、便利なアプリの数々
「保護者名簿アプリ」は、保護者が住所や電話番号などを何度も入力しなくて済むよう、1家庭につき1レコードとしました。PTAが余分な個人情報を持たないようにするため、内容を都度見直しているそう。


ポータルをカスタマイズする「ポータル管理アプリ」は、Kintone Portal Designerの「classic-app」というテンプレートを使い、リンクを一覧にしています。

カスタマイズの手順は、大体こんな感じです。
1. Kintone Portal Designerをインストールする
2. テンプレート「classic-app」を読み込む
3. ポータル管理アプリを追加する
4. ポータルに表示させたい内容に書き換える
5. すべてのユーザーにデザインを適用する
6. 日々の管理はポータル管理アプリから行う


その他には、こんなアプリもあります。
・児童名簿アプリ:名前や学年など最小限の情報を登録する
・出欠アプリ・アンケートアプリ:総会などの出欠確認やアンケートの際に使用する
・Tシャツ管理アプリ:PTAのTシャツの貸出状況を管理できる
・スケジュールアプリ:年間行事を確認可能。委員会やイベントの活動報告もここで行う
・会長ポストアプリ:会長の確認が必要なお手紙などを登録し、承認してもらう
・学校→会長メールアプリ:学校から会長宛てに届くメールを本部役員全員で確認できる
・ファイル管理アプリ:用途別に作成。ジョイゾーのPDFプレビュープラグイン(無料)使用

これらのアプリはすべてアイコさんが作りました。現在は後任のナミさんが、出欠・アンケートアプリ、ファイル管理アプリなどを複製して使っているということです。
「お知らせスペース」で気軽に発信できるように
次にスペースを見てみましょう。主なものはこちら。

まず「委員会」「部活動」「イベント」のスペースは、引き継ぎ資料になるよう、活動内容を記録してもらうようにしています。
「お知らせ」スペースには会議やイベントの告知を掲載し、ポータルからリンクさせています。紙のお手紙のような堅苦しいあいさつは抜きで、気軽にカジュアルな文章を書けるし、修正もカンタンです。文字の色や大きさの変更、画像の拡大表示なども自在に設定できるので「書く人も読む人もラクなのでは」とアイコさんは感じています。
ほかには、卒業記念品の選定やアルバムの作成情報などを残す「卒対」スペースや、本部やきんとん部、冊子作成用など一部の人のみが閲覧するスペース(メンバーオンリー)、よくある質問や操作方法を掲載した「FAQ」スペース、使わなくなったアプリを入れておく「ゴミ箱」スペースなどもあります。
各学年のスペースや、おしゃべり用のスペース「きんとんタウン」は、残念ながらあまり使われていないそう。アイコさんは「最初からいろいろやり過ぎると、みんなどこをみたらいいかわからなくなってしまうので、やるなら徐々にがいいかも」と話します。
キントーン以外にもいろいろなツールを導入していますが、最も使っているのはLINEの公式アカウントです。下のリッチメニューからキントーンにログインできます。

驚異の「浸透率100%」なぜ実現? これからの課題は
さて、このPTAのキントーン、世帯利用率はなんと100%だとのこと。小規模校のPTAとはいえ、驚きの数字です。ただし今のところ母親の利用が多いので、今後はお父さんたちの利用率アップも狙っていきたいそう。

より多くの人に使ってもらうため、「親しみやすい雰囲気づくりを心がけた」とアイコさんは言います。「きんとんさん」という名称・キャラクターを作ったのも、アプリのアイコンやスペースのカバー画像にこだわったのも、そのためだとか。


その他にも、見守り当番や出欠・アンケートなど定期的に使ってもらえるツール=キラーアプリを作ったことや、LINE公式アカウントからログインしやすくしたこと、お知らせや操作方法をわかりやすく画像化して伝えたことなども、キントーンの浸透率を高めたのではないかとアイコさんは考えています。

こちらはキントーン導入から1年後、年度末に行ったアンケート結果です。キントーンの継続を希望する人はなんと95%! 「希望しない」の回答は1件もなかったそうです。
その後キントーンを引き継いだナミさんによると、いまも特に「名簿」「スケジュール」「見守り当番」のアプリを便利に活用しているとのこと。今後の課題としては「お父さんたちのログイン」「なるべく文字に頼らず要件を伝え、行動を起こしてもらうこと」「引き継ぎ資料とするため各スペースへの投稿を増やすこと」などがあるということです。
「今回の動画や記事で『きんとん部』のメンバーが増えたらうれしいな」とほほ笑むアイコさん。ぜひ、そうなってくれたらと祈ります。保護者みんなの負担を減らすべく奮闘しきたアイコさんや役員のみなさん、本当におつかれさまでした!
(ご参考情報) チーム応援カフェご登壇後の裏話を、アイコさんがブログにまとめられています。こちらもぜひご覧ください!
▼【kintone × PTA】Zoom登壇で語りきれなかったアレコレ https://shiorino.com/web-pc/kintone-pta-cafe/
執筆 : 大塚 玲子 編集:チーム応援プログラム事務局