煩わしい決裁ルートや事務作業からの卒業【一般財団法人町田市地域活動サポートオフィス】
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一般財団法人町田市地域活動サポートオフィスは、つくる(立ち上げ支援)、ささえる(経営支援)、つなげる(協働支援)、かえる(変革支援)をミッションとし、町田市を拠点にまちの困りごとに取り組む担い手をサポートする組織です。
勤務体制とこれまでの課題、kintoneの導入
勤務体制は、常勤4名、非常勤2名で業務を遂行していますが、市内のNPO団体は200弱いらっしゃいますし、地域活動団体や個人で活動されているかたを入れますと、対象はとても多いです。6名で業務をどのように進めていくのかというところで、kintoneが重要なカギになりました。
町田市からの委託業務では、毎月定型の業務報告を行う必要があります。また、市議会関連の問い合わせに、瞬時にすべての情報をピックアップしてお答えする必要があります。この辺りを少ないメンバーでどのようにスピードをもってできるかというのが課題でした。
6人の体制でいろいろな制約の中、バラエティに富んだ団体のサポートをしていく時に、こんなことを実現したいと挙げたのが以下の4点です。 1. バラバラな情報を一元化して整理整頓できる 2. 業務の見える化ができる 3. 情報の検索性が上がる 4. 個人情報等のセキュリティを強化できる
kintoneエバンジェリストの長井 祥和さんにご相談して、kintoneを導入することになったのですが、お話の中で注目したのが、 1. 誰でも使いやすいこと 2. カンタンに機能追加・削除できること 3. 在宅勤務でも活用できること 4. 年間維持費が安価であること ということでした。
Excelからの卒業
これまではエクセルをよく利用していましたが、数が増えてきて複数人で編集したいとなると、もう少し便利になると良いなと思っていました。個人情報や相談内容、イベントの参加情報などをエクセルで管理しようとしていたのですが、難しいものがありました。
kintoneを導入して、画面の案内に添って入力すればきちんと登録できましたし、CSVで一括書き出しもできるように改善されました。
予め登録しておいた名刺と相談レポートを紐付けることができて、見直しや整理がしやすくなりました。
市役所の各課と仕事することが多いので、委託課や紹介先の課と担当者を相談レポート作成時に入力して、フラグを立てておくようにしました。
市役所の担当課に提出する報告書に掲載する事項を予め入力項目にすることで、月末の報告書作成作業が圧倒的に楽になり、業務フローの改善にも繋がりました。
LINEグループからの卒業
私たちのまちカフェ!学生おうえん隊も、小さな規模だった頃はLINEグループで連絡をすることがそんなに難しくはなかったのですが、去年くらいから学生さん20名、8団体という規模になってきて、LINEグループを作る作業自体がとても大変になってしまいました。
そこで今年からkintoneのスペースを使って学生さんとやり取りをするようにして、権限を制限しつつ、アカウントを一人ひとりに発行しました。
学生さんにはモバイル版をすすめて活用していただいています。
今の学生さんはメールが苦手というかたも多いので、メールよりはハードルが低く、LINEやSNSよりはプログラムに参加してもらっている感じがあるという意味で、kintoneを使ってもらってよかったと思っています。
Googleフォームからの卒業
kintoneとWordPressを連携して、申し込みフォームを作れるようになりました。WordPressはもともとサポートオフィスのWebサイトで使っていたので、kintoneと連携させてフォームができるならぜひやりたいということで、kintoneエバンジェリストの細谷 崇さんに教えていただきました。
これを導入してから、ホームページ上に直接フォームを作れるようになり、入力された内容がkintoneに取り込まれるので、いつも開いているkintoneで申し込みを確認できるようになりました。
Googleフォームでの運用では、シニアのかたなどから、送信ボタンを押し忘れたり、本当に申し込みができたのか確認の電話がかかってくることもあったのですが、WordPressと連携させることで、自動返信メールを送ることができるようになったので、問い合わせも減りました。
一つ機能を使いこなせるようになると、kintoneを活用する上で、こんなこともできるかな、こういう機能あるかなとアンテナを張るようになったので、そういう意味でも挑戦して良かったなと思っています。
煩わしい決裁ルートや事務作業からの卒業
起案、休暇、出張申請など事務・決裁フローもkintoneで一本化し、ペーパーレス化はもちろん、コロナ下で在宅勤務が多くなってもヌケモレなく、サクサク事務作業が進みました。
休暇申請、出張申請、公印押印申請など、今までエクセルや紙でやっていたものも、kintone上でできるようになりました。
質問コーナー
非営利組織のIT活用交流会「チーム応援カフェ」でお話しいただいた、(左から)杉山久美子さん、橋本空さん
Q. CSVで出力できるとのことですが、kintoneで完結せず、CSV出力が必要になるケースも多いのでしょうか?
A. そうなんです。市役所への報告書はエクセルで作っていますので、CSVで出力をしています。そんなにCSVを利用する頻度は多くないというのが現状です。
Q. こども支援をしています。中高生がkintoneに参加、利用することも可能でしょうか?
A. 大丈夫だと思います。アクセス権限を設定できますから、見られたくないデータは見られないように、見てほしいデータだけを見られるようにすることができます。
Q. LINEグループから卒業されたそうですが、公式LINEを検討されたことはありますか?自治体の相談に公式LINEを利用することが増えているようなので。
A. 公式LINEは検討しています。まだ検討段階ですので、学生さんとの連絡にkintoneを利用しています。公式LINEやLINEのオープンチャットであれば、個人LINEを使う必要がないので、そこも今後連携できれば面白いと思います。
Q. 行政の委託事業の場合、システム構築・導入に厳しい審査や設計が求められなかったでしょうか。
A. 市のかたがたもそんなに厳しくなく、それをやることでどんな成果が出るかというところの目線が揃ったので、確認事項をロジカルに進められて、導入に関してはそんなに難しくなかったという話を聞いています。やってみたら成果のほうが大きくて、他の自治体でも導入実績があるため、やってもいいという形になったのかと思います。
Q. 現在のデータをインポートできますか?導入理由は何になりますか?
A. データのインポートもエクスポートもかなりできます。kintoneの導入に至ったのは、手軽、セキュリティ、導入事例がたくさんあったこと、ランニングコストが低かったことなどがあるかなあと思います。使い勝手の良さは使ってみて初めてわかりました。データベースの検索性が高くて見やすいので、他の人に聞かなくても自分で調べられることがかなりあるのと、先輩の視点などを学べるところが良いと思います。