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日本一を目指すアメフト部の、強いチームを作るためのキントーン活用術【法政大学体育会アメリカンフットボール部】

  
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非営利組織のIT活用交流会「チーム応援カフェ」での発表動画

法政大学体育会アメリカンフットボール部は、関東リーグ優勝19回、甲子園ボウル優勝5回を数える歴史あるチームです。2022年から出欠管理、体調管理、スケジュール管理にキントーンを導入し、Slackと連携して活用しています。導入の経緯や活用方法について、コーチ兼運営担当の矢澤正治さんにお話をうかがいました。

属人化を解消し、合理的にナレッジを共有したい

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アメリカンフットボール部の部員数は学生146名、うち選手が101名、スタッフが45名です。それに加えて、監督、コーチ、トレーナー、チームドクターなどの指導者が20〜30名います。いろいろな面でスタッフの力が必要な競技で、スタッフはトレーナー、マーケティング、マネージメント、アナライジングの各担当に分かれています。

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もともとチーム運営は、Slackでの連絡情報共有を軸に、スプレッドシートによる出欠管理、専門サービスによる体調管理、Googleカレンダーによるスケジュール管理の4つを利用していました。この他にもグッズの販売管理や傷病情報の共有などのニーズがありました。

どんどん人が入れ替わるという組織の特性上、属人的な管理になってしまいがちで、ナレッジを貯めること、不合理なやり方を踏襲してしまうことに課題を感じていました。学生スポーツなので、何かを変えようと思うと費用がかかることも問題でした。そんな中で、スタッフが探し当てたのがキントーンとチーム応援ライセンスでした。

キントーンの導入と活用

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チーム応援ライセンスで契約をしてみたものの、運用するにあたって学べば学ぶほど、これは素人だけでは難しそうだ、と思いました。ちょうどその時にチーム応援カフェに参加し、kintoneエバンジェリストの長井 祥和さんのことを知って、すぐに連絡を取りました。2022年2月のことです。

長井さんに状況をすべてお伝えして、「4月にスタートしたい」と希望を伝えて導入が始まりました。ご相談する中で、出欠管理や体調管理、スケジュール管理などの基幹システムはキントーンに集約し、コミュニケーションはSlackがすでに浸透していたので、そのままSlackで並行運用することになりました。

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ポータルサイトを管理しているのはマーケティング担当の学生です。比較的パソコンに強い学生を中心に何人かでチームを組んで運用してもらっています。わからないことが出てくると、長井さんに質問をして、回答をいただいているという状況です。

現在キントーンで管理しているのは、出欠管理、体調管理、カレンダー、身上情報という4つです。カレンダーにはキントーンの連携サービスの「カレンダーPlus」を使っています。

見切り発車ではあったのですが4月から運用を開始しました。一般企業ではトラブルを防ぐためのテストに多くの時間を割いて、100点の準備をすることが多いと思うのですが、学生が学生のためにやっている活動で、ミスがあるのは当然という前提がカルチャーにあります。最初は60点くらいでスタートして、日を追うごとに良くなって、それが80点くらいで運用できるようになれば良いのではないかなと考えています。100点のものを完璧に運用するというよりは、その時に参加している人や条件に応じて、運用方法や仕掛けを変えられるのがキントーンの良いところだと思っています。

立ち上げた4月以降は入退部のアカウントに関しては確認し、それ以外は学生が自分たちの使いやすい形に工夫して運用しています。

キントーン導入のメリットと課題

実はメリットはまだ十分に発揮できてないのではないかと思っています。いろいろなサービスを集約できたことは一つの成果ですが、キントーンの実力を使いこなせてないな、というのが実感です。

一番のポイントは、キントーンという新しい仕組み、基盤ができたということです。今やっている業務、承認や情報共有、情報を貯めるということもそうですけど、一つ一つの行為に対してキントーンだったらどうやってできるのか発想できるようになったのがメリットだと思います。本当の力を発揮するのはこれからで、キントーンがあるのが当たり前の状況の中で、キントーンでどうやるのかを考えられるようになったのがとても重要だと思っています。

課題は、担当する学生をどれだけアサインできるかです。キントーンは学生でも十分に活用していけると思います。実際に人に使ってもらえる環境でキントーンを運用できる経験は、学生にとってもメリットがあります。今後は学生のリクルーティングをしてチーム活動に参加してもらい、目標である日本一に貢献してもらえればと考えています。

今後の展望

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今はまだ元々長井さんにお願いした内容の第一章くらいで、これからOBOG会の管理や物販の管理など、やりたいことはたくさんあります。今後はキントーンを基盤にナレッジを貯めて、手作業や属人的にやっているところをキントーン化していきたいなと考えています。

伴走支援をしているアクアビット長井さんより

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思っていた以上に学生がキントーンに積極的に関わってくださっていて、先日もキントーンをSlackに繋ぐためのJavaScriptのプログラムの書き方を質問くださいました。まさに矢澤さんがおっしゃった通り、キントーンをベースにして自分たちでモノを作っていく考え方の基盤ができたということがとても心強いなと感じています。

今までのシステム導入ですと、私たちのようなシステム会社が要件定義から最後のテストまですべて行って、作りましたので使ってください、というのが当たり前でした。

それだとやはりチームの中で考えることがなかなかできない。だけど今、学生という強い味方がたくさんいて、自分たちでどう使っていこうか、どう効率化できるのか、勝つためにはどうキントーンを使いこなしていこうかを考えてやっているのが、とても面白かったです。なので、第二章も是非進めていくことができればと思っています。

質問コーナー

Q.学生はキントーンにスマホからアクセスしているのでしょうか?パソコンからでしょうか?

A.スマホが多いと思います。なので入力のUIもスマホで入力することを前提に使いやすいようにしています。管理する側はパソコンですが、基本的にはいかにスマホで入力しやすいかということを意識しています。


Q.何かキントーンに切り替える時に勉強会や説明会は行ったのですか?

A.しようと思ったのですが、今の学生は「触ればわかるでしょう」ということで、すごいなあ、たくましいなあと思いました。


Q.キントーンと同時並行でSlackを利用しているということですが、Slackをそのまま使い続けている理由はありますか?

A.チームにSlackが既に浸透しているからです。Slackにも学割のライセンスがあって、それを使っています。