事例・活用のヒント

ゴルフ競技会の組合表や速報をオンライン化、密を回避しコスト削減──関西ゴルフ練習場連盟

  
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兵庫県にある多田ハイグリーンゴルフを案内する関西ゴルフ練習場連盟の野原和憲氏

老若男女、幅広い支持を集めるスポーツのひとつに、ゴルフがあります。2020年に広まった新型コロナウイルス感染症の脅威のもとでは、プレイヤー同士の距離を保ちながら楽しめることなどから、改めて注目を集めました。

そんなゴルフ愛好家や、プロプレイヤーを目指す人たちを支えている団体、関西ゴルフ練習場連盟(以下、KGPU)では、毎年大量の印刷物と郵便物が生じていましたが、クラウドをとりいれペーパーレス化し、いつでもどこでも連携がとれる仕組みに取り組んでいます。監事としてKGPUの事務局を支える野原興産株式会社 代表取締役社長の野原 和憲氏にクラウド導入の効果や進め方についてお話を伺いました。

年間十数万円もの郵送コストと、情報伝達のタイムラグが課題

親睦と情報交換を目的に関西のゴルフ練習場経営者らが集まり発足した関西ゴルフ練習場連盟はゴルファーの技術向上に加えて、優秀な指導者の養成にも努めています。連盟は事務局と練習場のオーナーである正会員、正会員から選抜される幹部、プロゴルファーを目指す研修生で構成されています。

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「KGPUの主な活動は、ゴルフ練習場経営に関する情報交換や課題解決と、プロゴルファーを目指す研修生向けの競技会の開催です。2020年はコロナ禍で競技会の開催回数を減らしましたが、競技会や勉強会の年間スケジュールを年始に1回、競技会の案内を年間約10回郵送していました。競技会へのエントリーも郵送で受け付け、組合せ表を作成して2週間前に郵送していました」(野原氏)

これらの作業を150名近い研修生に向けて行なうにあたり、郵送コストに加えて、情報伝達に時間がかかるという課題も抱えていました。

「エントリー後にキャンセルされる方もいらっしゃるので、郵送後に組合せ表に変更が生じることがありました。こうした変更の通知は郵送では間に合いませんので、電話やFAXでお知らせすることになります」(野原氏)

組合せ表の変更情報が届いていなかった場合には、当日現地にて修正情報を受け取らなければなりません。またラウンドでは、最終組が終わるまで全体の成績表が出揃いません。出発が早い組の研修生は、自身のラウンドが終わっても成績を見るためだけに全体の終了まで待つ必要がありました。

「後日結果は郵送されますが、当日に結果を確認するため、最終組のラウンドが終わるまで待つ人が多くいらっしゃいました。」(野原氏)

150名近くいる正会員への情報共有も、3ヵ月に1度の連盟誌とFAXで行っていました。

郵送コストを削減し、迅速な情報共有を可能に

「野原興産で無料の『サイボウズLive』を使っていたので、KGPUでも同じものを使えないかと考えました。しかし検討中にサービスが終了するとわかり、代替案を探して見つかったのが『サイボウズ Office』でした。KGPUは、非営利団体向けのチーム応援ライセンスで利用しています。費用対効果は十分あると感じました。」(野原氏)

オンライン化は段階的に進められていきました。

「親しみを持ってもらうために『KGPUイントラネット』と名づけ、手近なところから情報共有を進めていきました。まず事務局の業務報告やカレンダーを『サイボウズ Office』に移行しました。次に幹部会、続いて正会員、最後に研修生の情報共有を移行しました。主に掲示板、カレンダー、共有フォルダー、メッセージを使っています。抵抗なく使える人から移行してもらえるよう、正会員には連盟誌をFAXで共有する手段も残しています。」(野原氏)

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FAXでの情報共有は、悪いことばかりではありません。たとえば、ゴルフ練習場に掲示する感染症予防策のポスターデータを「サイボウズ Office」で共有しても、普段からPCやスマートフォンで情報共有する習慣のない人にはなかなか気づいてもらえません。しかし、「感染症予防ポスターのデータを『KGPUイントラネット』に掲示しました」とFAXで周知すると、ログインして確認してもらうきっかけになるのです。

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カレンダーでは、出欠表明ができるのでとりまとめ作業が削減できた

「ポスターのデータなどはファイルサイズが大きく、会員宛てにメールで共有するのは適切ではありません。『 KGPUイントラネット』に掲載することでファイルサイズの課題を解消できました。」(野原氏)

競技会に関する情報共有がスマートに

課題とされていた競技会に関する郵送物も、「サイボウズ Office」の導入により大幅に削減できました。コロナ禍で2020年は少ない回数しか開催できませんでしたが、エントリーと組合せ表をオンライン化し、結果を手元で照会できるようにした効果は大きなものでした。

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業務アプリを作成できるカスタムアプリ機能を使って、組合わせ表をリアルタイムに共有

「『サイボウズ Office』では、エントリー締め切り後の組合せ表の変更も簡単に反映できます。協議会参加者は直前に手元で最新の組合せ表を確認できるので会場での混乱もなく、負担が減ったと喜んでいます。」(野原氏)

ホワイトボードに掲示していた全体の成績表を「サイボウズ Office」での共有に切り替えた利便性は大きく、研修生からも好評とのこと。コロナ禍においては、当日に結果を知りたい人が最後まで待つ必要がなくなったことは、密を避けることにもつながりました。

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新型コロナウイルス感染症が収束し、例年通りに1回の開催に戻れば、研修会だけでも郵送コストの削減効果は年間で15万円にのぼると試算されています。

ゴルフ業界のさらなる発展に向けて

そして、「サイボウズ Office」の可能性を広げる今後の展開についても野原氏は語ってくれました。

「ゴルフ練習場オーナーである正会員と、ゴルフの腕を磨いている研修生とのマッチングアプリも検討しています。研修生のなかには、ゴルフで生計を立てることを目指す人も多くいます。まず思い浮かぶのはプロゴルファーですが、それ以外の道筋もあります。なかでもゴルフ練習場が求めている人材が、ゴルフ指導員です。指導員の求人は難しく、知人のつてを頼って採用することがほとんどです。指導員を希望する研修生とゴルフ練習場とをマッチングできれば、ゴルフで生計を立てたい研修生にとっても指導員を探す練習場にとっても嬉しいことではないでしょうか。」(野原氏)

研修生とゴルフ練習場とのマッチングがかなえば、KGPUの存在価値はさらに高まると期待する野原氏。他の地方の連盟や上位団体ともクラウドで連携し、業界を盛り上げ仲間を増やしたいと語ってくれました。