事例・活用のヒント

障害を特別にしない! 多世代が交流する地域共生のまちづくりとIT活用【特定非営利活動法人 楽笑】

  
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〇〇すぎるパン屋、じばカフェが入る共生型の多世代交流拠点「楽笑モール」 (通所者の安全確保のため2020年4月下旬現在は休業中)


愛知県蒲郡市三谷町にある、特定非営利活動法人 楽笑。楽笑は、放課後等デイサービスや短期入所、就労継続支援、生活介護、相談支援、パン屋、カフェ、子ども食堂など、地域に密着した幅広い活動を行っている団体です。

いろいろな事業をしているということは、それだけ多くの情報を扱うということ......。膨大な情報を、いったいどのように管理し、事業を展開しているのでしょうか? 19名で「サイボウズ Office」を活用しているという理事長の小田泰久さんにお話を伺いました。

地域を中心に、地域の一部として


―福祉と街づくりに取り組んでいるそうですね。

はい。障害分野に限らず、地域の方と障害者の方が共に働くパン屋やカフェ、地域の子どもたちが無料で食べて遊んで勉強できる子ども食堂、高齢者の方たちの地域コミュニュティ参加を促進するためのマルシェなど、多世代が交流し、地域の縁を繋ぐことができる場作りを行っています。(参照:http://rakusho.or.jp/

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月2回、楽笑モールで開かれる子ども食堂NOCO'Sキッチン


―どのように展開していったのですか?

最初、障害者施設を作りたいと街の人たちに言ったところ、反対を受けたんです。そのときに言われた一言がとても刺さって。「大変なのは障害者だけじゃないぞ!」と。ハッとしましたね。

福祉を中心に考えると、障害を持っている人たちが「特別な存在」になってしまうと気づいたんですよ。地域や多職種との関係性を築くには、まずは地域を「エンパワーメント」することが大切なんです。地域のための活動をして、コミュニティーでの「信頼資本」を増やす取り組みをすることで、地域の方々が協力者や理解者になり、結果として障害を持っている人たちの地域での生活のセーフティーネットとして機能するようになるのだと。

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地域を中心にすることで、街ぐるみの展開を可能に


ケアされるだけの特別な存在になってしまっては、一員として受け入れてもらうことが難しくなる。地域の課題を障害者も一緒に解決することで、地域に必要とされ、支え合う一員として溶け込めるのだと思っています。街を中心にして、街の「一部」としての機能を一緒に担うことで、街の人たちも自分ごととして捉えてくれるようになる、ということに気づいたのです。

情報がバラバラに分散していた


―「サイボウズ Office」を導入する前は、どのような課題があったのですか?

以前は他社のグループウェアを使っていたのですが、日報はそれぞれの事業所で管理、連絡はメーリングリストで、スケジュール管理はカレンダーで...といったように、機能がバラバラで、見落としなどが発生していました。また、掲示物はコルクボードに貼り、紙での通知もしながらで、情報の管理が大変でした。

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地域に密着した、幅広い事業を展開


うちは多拠点あるので、一括で管理ができるツールはないかと探していたら「サイボウズ Office」を発見しまして。しかもNPO割引(現在のチーム応援ライセンス)があるということで、2017年に導入をしました。

法人全体で進捗が共有されやすくなった


―「サイボウズ Office」を使ってからは、何か変化がありましたか?

スケジュールや掲示板、報告書、タイムカード、メール、職員間のメッセージを一元管理できるようになったのは本当に助かりましたね!
利用者のケース記録、共有タスク、在庫管理は、カスタムアプリ機能を使っています。サンクスカードっていうアプリもありますね。職員同士の日々の「ありがとう」を伝えるためのアプリです。

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在庫管理アプリの画面。集計機能を使って現在庫を把握している


―いろんな業務で使っているのですね!

こうやって見ると自分も知らなかった機能があるな......(笑)。簡単にカスタマイズできるので、それぞれの職員が必要なものを追加して使っていますね。
収支状況もオープンにしています。毎月の収支のデータを総務がファイル管理におくと更新通知がメンバーのトップ画面に出てみられるようになっています。

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ファイル管理の画面。月ごとの収支も全員で共有している


―特によく使っている機能などありますか?

プロジェクト機能ですね! 個々人が、いろんな事業を、それぞれの事業所で行っていますが、プロジェクト機能で進捗状況を共有しています。夜勤がある人もいますし、勤務時間も異なると一週間顔を合わせないこともあるので、ここでの共有は欠かせませんね。

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小田さんが参加しているプロジェクトの一覧画面


プロジェクトは柔軟に通知先を選んで掲示を立てられるので、いろんな人から意見を吸い上げることができるのがいいところですね。オフラインだけだと、関係者以外に情報が共有されず、他部署のことや、法人全体で取り組むことはどうしても他人事になってしまいます。

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プロジェクトの掲示画面


プロジェクトを使って情報をオープンにしていくことで、関心を持ってもらいやすくなりますし、自分の意見を言いやすくなります。意見が活発に出過ぎて、結論が出ないこともありますが(笑)

コロナによる働き方の変化


―新型コロナの影響で働き方も変わると思いますが、どうですか?

そうですね。やっぱり時短になったり、会議がなくなったりしているので、改めて使い方のルールを徹底しようという話になっています。

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ZOOMでのインタビューに応じる理事長の小田泰久さん


何か書き込みや通知があった場合、リアクションをとることをルールにしているんですよ。「いいね」ボタンを押したり、分からなかったら質問を書いたり。リアクションの有無で理解度などをチェックし、声かけなどをしているので。
現在は、IT補助金を使って利用記録と請求管理、人員配置を連携させ書類作成やシフトづくりを効率化するシステムの開発にも取り組んでいます。

地域や事業に対する想いやIT活用について伺うことができ、とても勉強になりました! 小田さん、ありがとうございました!