Case
事例
若者と向き合う時間を大事にしたいから、kintoneで事務作業をスリム化
親や身近な大人を頼れない若者たちの「社会サンカク」を体当たりで支え続ける、特定非営利活動法人サンカクシャ。生きる意欲を失いかけた若者たちが、自分らしく生きられるように――そんなサポートの現場でkintoneはどう活用されているのか、お話を伺いました。
公的支援からも外れる、親を頼れない若者たちの伴走支援
人を信じられず、関わることが怖い。何かに取り組む気力も生きていく意欲もわかない――。親を頼れなかった若者たちは、周囲の大人たちともつながりにくく、いざ親元を離れた後は家探しや仕事探しに一人で立ち向かわざるを得ません。自活のハードルは高く、働くこと自体が難しいまま経済的に追い詰められ、なかには貧困ビジネスや闇バイトに絡めとられてしまう若者もいます。
そんな若者たちが社会とつながり、自分らしく暮らしていけるよう、とことん伴走したい。NPO法人サンカクシャは、そんな思いから設立されました。
「18歳までの子どもに対する公的支援は拡充されてきましたが、成人前後の18~25歳くらいの若者に対しては、支援がぽっかりと抜け落ちて空白地帯が生じています。その部分をどうキャッチして、どう立て直していくかというところで、サンカクシャは日々頑張っています」(釆見さん)
安心できる場所で意欲を回復し、働く自信につなげる
サンカクシャの主な事業は、居場所事業(サンカクキチ)、居住支援事業、社会サンカク事業の3つです。このうち居住支援事業では、危機的状況にある若者たちが生活を立て直し、一人暮らしできるだけの基盤をととのえられるよう、一時的に身を寄せられるシェアハウスやシェルターを運営しています。
居住支援に欠かせない7つのkintoneアプリ
こうした事業のなかで、kintoneはどんな働きをしているのでしょうか。サンカクシャには今、使用していないものも含めて30個以上のkintoneアプリがあります。今回は特に居住支援事業で使われている7つのアプリをご紹介します。
【1. 入居管理アプリ】
サンカクシャのシェハウスやシェルターに、若者がそれぞれどれくらいの期間入居しているかを管理するアプリです。助成金の活動報告では、利用者数や期間・頻度を詳細に把握する必要があるため、このアプリで自動集計しています。
【2. 家賃等入金管理アプリ】
シェルターやシェアハウスを利用する若者たちからの家賃回収状況を管理するアプリです。実はこれ、「状況把握のコミュニケーションツール」としても役立っているとのこと。これまで毎月家賃を払えていた若者が急に払えなくなったときなど、声をかけて事情を話してもらうきっかけになることもあるそうです。
【3. 週次ケース共有アプリ】
スタッフが毎週開いている、それぞれの若者への対応を共有する会議の議事録を残すアプリです。会議に参加できなかったスタッフも、議事録を読めばその若者の状況や支援方針等をすぐ把握できます。
「このアプリのおかげで、一人ひとりの若者についてきちんと時間をかけて話し合えるようになりました。現状や過去の経緯も一目で追えるので、『今こういう状況なら、以前あの子に対応したときの動きがこの子にも合うかもしれないね』といった提案も生まれやすくなったと感じています」(釆見さん)
【4. 新規相談アプリ】
若者たちから日々寄せられる新規相談を記録・管理するアプリです。問い合わせ日、種別(内容)、経路(公式LINE、電話、メール等)、若者の年齢などの情報をここに集約しています。「一度相談してくれた若者が、数か月や数年間後にもう一度相談に来てくれたときも、このアプリで以前の相談内容を振り返ることができる」と森さんは話します。
【5. 居住社会資源情報アプリ】
関係する支援機関や不動産会社、携帯電話会社、医療・法律関係者など、頼れる情報を集約したアプリです。以前はスタッフ個々人が持っていた社会資源情報が一元化され、共有コストが大幅にダウンしたといいます。
【6. オプチャ一覧アプリ】
スタッフがイベントを企画するごとに立ち上げる、オープンチャットの情報を管理するアプリです。サンカクシャでは、若者たちが意欲を取り戻せるよう、一緒に遊んだり活動したりする時間を何より大切にしています。その結果、イベントごとに立てているオープンチャットが増え、把握しきれなくなってきたため作成されました。
【7 スタッフ勤怠・交通費申請アプリ】
交通費や経費の申請にもアプリが活躍しています。各スタッフがアプリで申請し、各部署のリーダーが承認し、事務局が処理するという流れです。導入以来、申請ミスがぐっと減ったといいます。
今もサンカクシャには、若者たちからのSOSが次々と寄せられています。スタッフは毎日多忙ですが、それでも若者たちと過ごす時間を何より大切にしたいと考え、アプリを使って事務作業の時間を削減しています。活動の支えとなる助成金の報告も、アプリを活用してしっかり行っているとのこと。
忙しさがみんなのキャパシティを超えそうになったときは、スタッフ同士が互いに目を配り合い、誰からともなく「亀モードになりましょう」というペースダウンの呼びかけが生まれるのだとか。「疲れたから明日は休みます」というスタッフがいれば、チャット上にお茶のスタンプが飛び交うといいます。
「若者との時間にはきちんとリソースをかけたいし、この活動ができるのは企業や団体など支援者の寄付のおかげだから、その報告もおそろかにできない。情報共有や業務の効率化・省力化のためにkintoneを活用することで、忙しくても若者に向き合うために時間をかけた活動できていると感じています。」と締めくくっていただきました。
これからもサンカクシャの皆さんが若者たちのサポートを続けていかれますよう、心から応援しています!