無償学習支援で教育格差を終わらせる──年間900人のボランティア申込み管理を効率化【Learning for All 】

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本記事では「NPOのチーム運営とIT活用セミナー」でNPO法人Learning for All 石神駿一さんに発表いただいた事例をお届けします。

子どもたちだけでなく指導する学生教師も成長

NPO法人Learning for All で広報・資金調達部事業部長の石神と申します。4年半で電通をやめてNPO法人Learning for All にいます。

私たちは、経済的な困難を抱える家庭の子どもたちを対象に、質の高い教育を無償で提供しているNPO団体です。 子どもたちだけでなく、指導にあたる大学生教師も成長できる本格的な教育プログラムによって、日本の未来を変えるリーダーを輩出しています。

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ボランティアの大学生やプロボノの方々、Learning for All をとおった全ての方に社会課題を解決する仲間になっていただくことを目指しています。

短期的に社会課題を解決するだけでなく、長期的に人材を輩出し仲間と一緒に社会を変えていこうとしています。

教育格差が賃金格差につながっている

日本では子どもの6人に1人が貧困状態です。7人に1人が就学援助を受給しています。

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親の世帯年収と学力テストの相関のグラフです。あきらかに差が出てしまっているいのがわかります。

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中卒と大卒では生涯年収に大きな差が出てしまっています。男性で約8,000万円、女性で約8,800万円です。中学3年生の成績でその後の進路が大きく左右されるのがわかります。

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生まれた地域や家庭環境によって、子どもの可能性が左右されてしまう。こんな現状が日本にもあります。教育格差が賃金格差につながる。

よくこういう話をすると「親が悪いよね。自己責任だよね。」といわれることがありますが、誰が悪いという話ではなく、こういう社会構造になっていることにきちんと目を向ける必要があります。

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Learning for All は無償の学習支援事業を2011年から行っています。これまでのべ5,000人子どもたちを支援してきました。昨年度は指導していた中学3年生は全員が高校に進学しています。

子どもの家事業は、家でも学校でもない「第三の居場所」を設置する日本財団による「子どもの貧困対策モデル事業」です。Learning for All では、この居場所プロジェクトの第1号拠点の立ち上げと運営を担っています。

説明会、選考会の申し込みをkintoneで一元管理

学習支援は年間に春、夏、秋、冬と4つの期間で行っています。1回に参加するボランティアの大学生は約100名。年間で400名が参加してくれています。この大学生を募集する採用活動にサイボウズのkintoneを使っています。

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まずは説明会に参加してもらいます。その後、選考会に参加してもらってから合否を決定します。

選考会では大学生一人に対して1時間きっちり面接を行います。子どもたちにきちんと向き合えるか確認するフェーズをはさんでいます。

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応募者情報を一元化できないか、少しでも作業を減らせないかと考え、申し込み管理にkintoneを使うことにしました。

応募者が申込フォームから入力した情報をkintoneにそのまま登録できるフォームクリエイターもつかっています。非常に体感的に使えるソフトです。

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kintoneでは個別に対応のステータスを確認できるようにしています。対応が遅れているもの、イレギュラーなものなどをメンバーで共有しています。

また「東京大学」とソートをかけると「東京大学」の学生たちだけがでてくるようになります。大学別に対応がどこまでできているかが簡単にわかるようになっています。

自動返信機能で一次対応の作業が不要になった

自動返信機能にも助かっています。個人情報や申し込んだ説明会の日程をひっぱってきた状態でメールを送れるのがありがたいです。参加者には申し込みボタンをした瞬間に返信が届きます。

少しでも作業量を減らせないかという課題がありましたが、メールに関しては自動化でき一次対応の作業が不要になりました。

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団体がニュースで報道されたときなど、一時的にフォームを変えたいときもすぐにフォームを編集できます。

htmlやCSSの知識がなくても体感的に作れるのが大きな魅力です。初めてMacを触ったときの感じですね。「うわっ! こんなにサクサクいくんだ!」と体感的にできます。

セキュリティも担保したい点でした。NPOプログラム(NPO法人向けの特別価格)ではkintoneのID、パスワードは50ユーザーまで用意できます。使う人間は5人しかいないので50ユーザーもあれば余ります。セキュリティ面も向上しました。

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我々の業務をかなり効率的にしてくれているkintoneに感謝しています。これからも引き続き使っていきたいと思っています。