キントーンで一元管理し煩雑な業務をシンプルに!──未来に夢や希望が描ける社会の実現を【国際教育支援機構スマイリーフラワーズ】
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非営利団体向けのIT活用交流会「チーム応援カフェ」で語る、国際教育支援機構スマイリーフラワーズ理事長の窪田広信さん
私たちスマイリーフラワーズは機会提供を通じた人材発掘及び育成で、特に若い人たちが未来に夢や希望が描ける社会の実現を目指して活動しています。また、そういった社会を作るための人材育成にも取り組んでいる団体です。
2011年に活動を開始して、去年で10年目になりました。主に取り組んでいる事業が3つあります。
機会提供を通じて、未来に夢や希望が描ける社会を実現したい
1.しごとさとおや
一つめは、社会的養護の子どもたちへの機会提供の事業です。さまざまな機会を提供して、最終的に仕事やキャリアの側面でサポートしていく事業に取り組んでいます。
社会的養護という言葉になじみがないかたへ簡単にご説明しますと、いろいろな事情により施設や里親の元で暮らす子どもたちへの支援を指します。
なぜ社会的養護の子どもたちへの機会提供なのかというと、10年間関わってきて、ポテンシャルや能力、人としての可能性を感じたためです。子どもたちに適切な機会、いろいろな機会を提供することで、社会で活躍できる人材になれるんじゃないかと思い関わらせていただいています。
もう一つは、私たちは「夢や希望が描けるような社会を作っていきたい」という思いがあります。これは私の勝手な思いなのですが、親に恵まれなかった子どもたちに社会が手を掛けて、その子たちが幸せになれば、その子たちも社会に恩返しをしていこうと思ってくれるのではと考えています。
私たちが10年間この子たちに関わってきて、そういった意思のある子たちが育っているのを実感しています。
2.スマフラ留学
なぜ留学という事業をやっているかというと、私自身の人生を変えてくれたのが留学という機会だったからです。
留学は、世界を知ることができるため、子どもたちがものすごく成長できます。そしてもう一つのメリットが、外から日本を見ることで、日本の素晴らしさや良いところ、問題点に気づくことができることです。
この事業は有償で一般の大学生や社会人を対象にも行っており、新型コロナ以前は年間250〜300人ぐらいをサポートさせていただきました。
3.じぶん留学
最後は自己理解です。「しごとさとおや」と「スマフラ留学」の事業を通じて「自分を知る」ということが自分自身の人生の幸せに大きく関わっていると考えるようになりました。
最近は、自分の幸せを理解しないまま他人の幸せを追いかけていく、というパターンが非常に多いと感じます。
まずは「自分を知る」ということが、すべてにおいて非常に大きな意味を持つと考えています。また「自分を知る」ことが、身近な人や社会の幸せにも大きく繋がっていると感じるので、私たちはこの事業に取り組んでいるのです。
キントーン導入のビフォーアフター
キントーンの導入前は、ExcelとEvernoteを使って管理していました。
よくありがちだと思うのですが、社内の情報が全部バラバラで、何がどこにあるか分からない状態でした。また、その管理の仕方も、人や拠点ごとに違うということが起こっていました。
今はキントーンで一元管理しています。まだ一部移行が残っているのですが、会員情報はほぼキントーンに入っている状態です。キントーンで確実な情報共有を実現
キントーンで一元管理することで、煩雑だった業務が非常にシンプルになりました。管理方法も統一されて、ミスが減りました。
会員情報や対応履歴といった情報共有も簡単です。以前は、担当者以外どこに会員情報があるか分からず、異動や退職の際の引き継ぎにも苦労していました。今では非常にスムーズにできています。
お問合せも一元化しています。キントーンの連携サービス「フォームブリッジ」で作成したフォームから自動でキントーンに入力されるため、漏れがなくなりました。
対応履歴も会員情報に紐付けされるのでシンプルで分かりやすくなっています。通知も設定できるので連絡ミスも減りました。
キントーン導入の経緯
○ 失敗した過去
実は、以前にSalesforce NPOサポートパックというのを導入し、断念した経験があります。
1年ぐらい本腰をいれて運用しました。Salesforceは非常に細かいことができるのですが、その分複雑でした。何か変更するにしても、サポートに依頼しないと修正ができません。そういう部分でつまずいてしまい、まったく導入が進まず断念しました。
○ キントーンは「自分たちで作る、構築できる」
どうしようかと考えているときに、キントーンの非営利向け特別価格「チーム応援ライセンス」を知りました。ただ、私たちはSaleforceで一回挫折しています。「いけるかな?」という不安はありました。 キントーンを試したところ、私たちが求めていた「自分たちで作る、細かい修正が都度できる」ということが実現できました。 今では社会的養護の子どもたち向けの活動記録や、施設管理も一元管理できています。
○ さらなる活用の強い味方「kintoneエバンジェリスト」
自分たちができる範囲を超えて、「もっとこういう機能がほしい」と思ったときにサイボウズに相談したところ、kintoneエバンジェリストの久米さん(株式会社AISIC)の存在を知り相談しました。そこから、さらに細かな会員情報の管理や、アプリ連携をし活用できるようになりました。
キントーン活用と職員への浸透のコツ
○ シンプルに作ることが成功のポイント
活用と職員への浸透のコツは、「シンプルに作って入力してみる」です。最初はシンプルなメインアプリを作って、細かく分けすぎないことが、組織内の定着には不可欠だと思います。
キントーンの何が良いかというと、後から機能をどんどん足していける点です。しかも追加がすごく簡単にできます。やりたいことを詰め込むとすごく細かく作れますが、それでは実際に使う職員にはなかなか浸透しません。
最初はできるだけシンプルに作り、後から作り込んでいくほうが職員に浸透しやすく、お勧めしています。私たちもシンプルに作り始めたことが定着できた要因です。
○ キントーンを中心とした実際の運営
お問合せやイベント参加はフォームブリッジを連携させて、会員マスタに自動的に紐付けています。さらに事業ごとの案件や、施設情報や対応履歴も紐付けています。
請求管理や会計管理はまだ連携できていませんが、これから開発して連携させていきたいです。キントーンならできると思います。
○ ExcelとEvernoteからの移行
それまで使っていたExcelとEvernoteで管理していた会員情報もうまく引き継がれました。
これからの展望
将来的に上のスライドのような、キントーンを中心としたシステムを構成していきたいと考えています。
○ 寄付者管理をいかに行うか
認定NPO法人を目指すうえで、寄付してくれる人や寄付してもらったお金、寄付者関連もかなり細かく管理していかなければなりません。
外部のcongrantという寄付決済管理サービスとの連携も実現したいと考えています。
○ 外部とのやりとりにメールワイズの利用を検討
メールワイズというサイボウズのメール共有サービスをキントーンと連携していけたらと思っています。
外部とのやりとりはメールが便利ですが、案内管理や返信管理もキントーンに連携させて、一元化したいと考えています。
今後もこれらのツールを上手く使い、子どもたちを支援していければと思っています。